「新NISA」という言葉は、ニュースや広告で何度も見かけます。
ただ、つみたて投資枠と成長投資枠の違いまで説明できる人は多くありません。
この記事では、新NISAの基本的な仕組みからメリット・注意点、口座開設の流れまでを初心者向けにまとめました。
「投資を始めたいけど、何から調べればいいかわからない」という方も、まずは制度の全体像をつかむところから始めましょう。
新NISAってどんな制度?基本の仕組みを整理

新NISAは、投資で得た利益にかかる税金が非課税になる国の制度です。
通常、株式や投資信託の売却益や配当には約20%の税金がかかりますが、新NISA口座で運用すればこの税金がかかりません。
2024年1月にスタートした制度で、以前の「つみたてNISA」「一般NISA」に代わる形で導入されました。
記載内容は2026年7月時点のものです。制度の詳細は今後変更される可能性があるため、最新情報は金融庁のNISA特設ウェブサイトでご確認ください。
つみたて投資枠と成長投資枠の違い
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があります。
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間投資枠(1年間に投資できる金額) | 120万円 | 240万円 |
| 買える商品 | 金融庁の基準を満たした投資信託・ETF | 上場株式・投資信託・ETFなど |
| 買い方 | 積立購入のみ | 一括・積立どちらもOK |
つみたて投資枠は、金融庁の基準を満たした長期投資向けの商品だけが対象です。
商品が絞られている分、初心者でも迷わず選べます。
成長投資枠は対象が広く、個別株や幅広い投資信託を購入できます。
- ETFは、証券取引所に上場していて株式と同じように売買できる投資信託です。
- つみたて投資枠で買える商品は、金融庁のつみたて投資枠対象商品ページで一覧が公開されています。
2つの枠は同時に使えるため、年間で最大360万円まで非課税で投資できます。

初めてなら、つみたて投資枠から始める人が多いです。
非課税で持てる期間と生涯の投資上限
新NISAでは、非課税で保有できる期間に制限がありません。
一度買った商品を、いつまでも非課税のまま持ち続けられます。
ただし、非課税で保有できる金額には上限があります。
生涯を通じた非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。
この限度額は簿価(買った時の金額)で管理されます。
運用中に値上がりして評価額が1,800万円を超えても、限度額の計算には影響しません。
旧NISAから何が変わったか
以前の「つみたてNISA」「一般NISA」と比べると、主に以下の点が変わりました。
| 旧つみたてNISA | 旧一般NISA | 新NISA | |
|---|---|---|---|
| 年間投資枠(1年間に投資できる金額) | 40万円 | 120万円 | 360万円(合計) |
| 非課税保有期間(税金がかからずに持てる期間) | 20年 | 5年 | 無期限 |
| 2つを同時に使えるか | 不可(どちらか一方) | 不可 | 併用可 |
年間の投資枠が大幅に広がり、非課税期間の制限もなくなりました。
旧制度では「つみたてNISA」か「一般NISA」のどちらかしか選べませんでしたが、新NISAではタイプの違う2つの枠を同時に使えます。
iDeCoとNISAはどちらを優先すべきか、こちらの記事で比較しています。

新NISAのメリットと気をつけたいポイント

新NISAのメリットは大きく3つ、あわせて知っておきたい注意点が1つあります。
- 年間の投資枠が最大360万円まで使える
- 非課税で保有できる期間に制限がない
- 売却すると翌年に非課税枠が復活する
- 元本割れのリスクがあり、短期では増えにくい
年間の投資枠が最大360万円まで使える
新NISAでは、つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円で、年間最大360万円まで非課税で投資できます。
旧つみたてNISAの年間40万円と比べると、9倍の枠があることになります。
もちろん、枠を使い切る必要はありません。
月1万円の積立でも、非課税のメリットはしっかり受けられます。

無理に枠を埋めなくても大丈夫。自分のペースで使えます。
非課税で保有できる期間に制限がない
旧つみたてNISAは20年、旧一般NISAは5年という非課税期間の制限がありました。
新NISAではこの期間制限がなくなり、いつまでも非課税のまま保有できます。
「期限が来たらどうしよう」と考えなくてよくなり、10年でも20年でも同じ商品を持ち続けられます。
売却すると翌年に非課税枠が復活する
新NISAでは、保有している商品を売却すると、その分の非課税枠が翌年に復活します。
たとえば、簿価100万円分の商品を売却した場合、翌年に100万円分の枠が再び使えるようになります。
旧制度では、一度使った非課税枠は戻りませんでした。
新NISAなら、住宅購入や教育費でいったん売っても、同じ枠でまた投資を始められます。
売却した年にすぐ復活するわけではなく、翌年の初めに戻ります。
また、年間投資枠(360万円)を超えて投資することはできません。
元本割れのリスクがあり、短期では増えにくい
メリットの多い新NISAですが、注意しておきたい点もあります。
新NISAは元本保証の制度ではありません。
投資した商品の価格が下がれば、元本割れ(投資した金額を下回ること)になる可能性があります。
また、特につみたて投資枠で長期積立をする場合、短期間で大きな利益が出る仕組みではありません。
数か月で結果を求めるものではなく、10年・20年といった長い時間をかけて資産を育てていく仕組みです。
- 元本割れで投資した金額が減ることがある
- 短期で利益を出す仕組みではない
- NISAで出た損失は、損益通算(他の口座の利益と差し引きすること)ができない

「必ず増える」わけではない点は、始める前にしっかり理解しておきたいですね。
つみたて投資枠で買う商品の選び方は、こちらの記事で解説しています。

新NISA口座の開設から投資スタートまでの流れ

新NISAの口座開設から実際に投資を始めるまでは、大きく4つのステップです。
- 証券会社を選ぶ
- 口座を申し込む
- 口座に入金する
- 商品を選んで購入する
新NISA口座は、証券会社や銀行などの金融機関で開設できます。
扱っている商品の種類や手数料、使いやすさを比較して選ぶのがおすすめです。
ネット証券は手数料が安く、スマホから手軽に操作できるので、初心者に向いています。
- 金融庁の免許・許可・登録等を受けている事業者一覧で、登録済みの業者かどうかを確認できます。
- https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyo.html
複数の金融機関で同時にNISA口座を持つことはできません。
金融機関の変更は年単位でできますが、その年にNISA口座で1度でも買い付けをしていると、その年は変更できません。
証券会社のWebサイトやアプリから申し込みができます。
本人確認書類として、以下のいずれかが必要です。
- マイナンバーカード(これ1枚で完了する金融機関が多い)
- マイナンバーが記載された住民票の写し+運転免許証などの本人確認書類
- マイナンバー通知カードは2020年5月に新規発行が終了しました。手元にあっても、氏名・住所が住民票と一致している場合しか使えません。
ネット証券なら、申し込みから最短で翌営業日に口座ができます。
- NISA口座は税務署の審査(1〜2週間程度)を経て正式に開設されます。審査を待つ間も買い付けできる証券会社がほとんどです。
口座が開設できたら、投資に使うお金を入金します。
銀行振込やネットバンキングでの即時入金に対応している証券会社がほとんどです。
入金が済んだら、つみたて投資枠・成長投資枠それぞれで購入する商品を選びます。
つみたて投資枠であれば、積立金額と頻度(毎月・毎日など)を設定するだけで自動的に買い付けが始まります。

積立設定をしてしまえば、あとは自動で買い付けてくれます。
新NISAでよくある疑問

新NISAについて、初めて検討する方からよく出る疑問をまとめました。
20代・30代の資産形成の進め方は、こちらの記事にまとめています。

まとめ:制度を理解してから一歩目を踏み出そう

この記事では、新NISAの仕組み・メリット・注意点・口座開設の流れを一通りまとめました。
ポイントを振り返ります。
- 新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあり、年間最大360万円まで非課税で投資できる
- 非課税保有期間は無期限で、生涯の投資枠は1,800万円
- 元本割れのリスクはあり、短期で利益が出る仕組みではない
- 口座開設はネットで完結し、少額から始められる
新NISAは使い勝手のいい制度ですが、値下がりする年もあります。
いくらを、どのくらいの期間投資するかを決めてから始めてみましょう。
まずは証券会社のサイトで、口座開設の手順を見るところからで十分です。
投資全般の基礎知識は、こちらの記事からどうぞ。

